大学受験に失敗、フリーター生活。そして気づけば家づくりの道へ|社長・竹内のこれまでと自己紹介

今回は家づくりの話から少し離れて、私がどんな人生を歩んできて、どうして家づくりの仕事をするようになったのか。

少し長くなりますが、自己紹介も兼ねて書いてみようと思います。


今でこそ上越で家づくりの仕事をしていますが、生まれは新潟ではなく京都です。

そして最初から建築一筋だったのかというと、まったくそんなことはありません。

「大学受験に失敗して、フリーター生活。」

そこからいろいろな仕事や人との出会いを経て、気づけば家づくりの仕事に携わって30年以上になりました。

振り返ってみると、なかなか遠回りをしてきた人生です。

「京都で生まれ、大学受験に失敗」

1966年12月16日、京都市で生まれました。

京都外大西高等学校を卒業後、大学を受験しましたが、見事に失敗。

そこから、いわゆるフリーター生活が始まりました。

マクドナルドや居酒屋の皿洗いなど、いろいろな仕事を経験しました。

一番働いていた頃には、朝5時から夜10時まで肉体労働をしていたこともあります。


そして、半年で身体を壊しました(笑)。


大変ではありましたが、もともと働くこと自体は嫌いではありませんでした。

マクドナルドでは接客コンテストにも出場し、「京都で2番目にポテトがおいしい」なんて言われたこともあります(笑)。

今振り返ると、この頃に経験した接客や人との関わりも、現在のお客様との打ち合わせにつながっているように思います。


「21歳、「このままでいいのかな」」

21歳くらいになると、周りの友人たちは大学に通い、就職活動を始めていました。

「銀行に内定した」
「旅行会社に決まった」

そんな話を聞くようになります。

もちろん「おめでとう」と言うのですが、その一方で、

「自分はこのままでいいのかな?」

と思うようになりました。

今さら大学へ行くのか。
どこかへ就職するのか。

そもそも、自分は何を仕事にしたいのか。

そこで初めて、これから先の人生について真剣に考えるようになりました。

「「衣・食・住」から考えてみる」

そんなときに思い出したのが、祖父の言葉です。

私の実家は京都で、安土桃山時代から続く呉服屋で草木染めの職人の家系でした。

祖父からは、

「衣食住に携わる商売は無くならん」

と言われていました。

それなら、自分は「衣・食・住」のどれが向いているんだろう。

まずは「衣」。

実家が草木染めの職人なので、一番身近な世界でした。

ただ、当時すでに成熟した産業でもあり、自分がそこへ進んでいくイメージはあまり持てませんでした。

続いて「食」。

これは......

食べること専門です(笑)。

料理を仕事にするというより、おいしいものを食べる側でいたい。

そうなると残ったのが「住」でした。

家は、何もないところから少しずつ形になっていきます。

「これは面白そうだな」

と思いました。

思い返せば、小学生の頃に自宅の増築工事をしていた時期があります。

大工さんが毎日少しずつ家をつくり上げていく。

その様子を見るのが楽しくて、ワクワクしながら眺めていました。

今考えると、あの頃に感じたワクワクが、家づくりに興味を持った原点だったのかもしれません。

「帰り道で見つけた「やる気のある人募集」」

その後、百貨店系列の不動産会社などでも働きました。

輸入事業部で、ヨーロッパの硝子洋食器や陶器製品などの発送業務を担当していた時期もあります。

契約期間が終わり、再び仕事を探すことになったある日。

アルバイトの帰り道、阪急電車の西院駅近くを歩いていると、ある看板が目に入りました。

「やる気のある人募集」

建設会社の求人看板でした。

「おっ」と思って電話番号をメモし、すぐに連絡。

社長と常務に面接していただき、採用してもらいました。

後から聞いた話では、

「看板を見て電話してくるようなハングリーな人間なら面白そうだ」

と思ってもらえたそうです。(まぁ、今から思うと、取り合えず採用で。。。って感じだと思います。)

人生、どこに縁があるか分からないものです。

ここでは不動産賃貸の入居斡旋やビジネスホテルの仕事などを経験しました。

このとき身につけた知識や経験も、後の仕事につながっていきます。

「明日から来てくれ」で住宅業界へ

1992年11月、ハローワークを通して大手ハウスメーカーの面接を受けました。

営業としての応募でした。

すると面接で、


「明日から来てくれ」


と言われました。

人が足りなかったからなのかもしれません(笑)。

こうして、本格的に住宅の仕事が始まりました。

最初の勤務地は滋賀県の大津。

大津には2〜3年ほど勤務しました。

入社して3か月で、3棟の住宅を受注することができました。

......と言うと格好いいのですが、これは自分の力というより、

ほぼ当時の所長のおかげです(笑)。

住宅営業について何も分からないところから、周りの方々に支えてもらいながら、一つずつ仕事を覚えていきました。

「大阪で出会った「この人のおかげで今がある」と思える人」


その後、大阪へ異動。

大阪では約4年間勤務しました。

ここで出会った所長には、本当にいろいろなことを教えてもらいました。

当時は毎日のように、所長の家まで車で迎えに行き、仕事が終わればまた家まで送る。

いわば毎日、所長の運転手です。

今のように、分からないことを何でもインターネットで調べられる時代ではありません。

車の中で話を聞き、一緒に現場へ行き、お客様との接し方を見る。

毎日一緒に行動する中で、住宅の知識だけでなく、営業の考え方、人との付き合い方、仕事への向き合い方など、本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。

今振り返っても、

「この人のおかげで今の自分がある」

と思える人です。


金沢、そして「半年だけ」の予定で上越へ


大阪での勤務を経て、次は金沢へ異動。

金沢には約1年半勤務しました。

そして、その次の勤務地が新潟県上越市です。

ただ、最初から上越に長く住む予定だったわけではありません。

当時、上越営業所ができたばかり。

そのため私は、新しくできた営業所で半年間だけ勤務する予定で上越へやってきました。

半年だけ上越で仕事をして、その後はまた別の場所へ。

......のはずだったのですが、

半年が経ち、

そのまま在留(笑)。

半年だけの予定でやってきた上越に、気づけばずっと住んでいます。

今では上越での暮らしも24年を超えました。

京都で生まれ育った自分が、まさかこれだけ長く上越で暮らし、ここで家づくりをすることになるとは。

当時はまったく想像していませんでした。

人生、本当にどこでどうなるか分からないものです。


「同じ価格なら、もっといいものをつくれるのになぁ」


住宅会社で長く仕事をする中で、家づくりについての知識や経験も増えていきました。

たくさんのお客様と出会い、たくさんの住宅を見てきました。

そうすると、少しずつ自分なりの家づくりに対する考えも生まれてきます。

その中で、

「同じくらいの価格なら、もっといいものをつくれるのになぁ」

と思うこともありました。

もっとお客様と直接話をして、そのご家族に合ったものを自由に提案したい。

自分が良いと思う材料や方法を選び、自分自身で最後まで責任を持って家づくりをしたい。

もちろん、独立した理由はそれだけではありません。

なんやかんや、いろいろありまして(笑)。

ただ、住宅会社で経験を積めば積むほど、

「自分の考える家づくりを、自分でやってみたい」

という気持ちは強くなっていきました。

そして独立し、タケハウス建築設計室として家づくりを始めました。


「ご紹介から始まる家づくり」


独立してから今日まで、ありがたいことにご紹介をきっかけに新しいお客様と出会うことが多くあります。

家は、建てて終わりの商品ではありません。

そこから何十年と暮らしていく場所です。

だからこそ、一棟一棟きちんと向き合う。

タケハウスでは、私自身がお客様との打ち合わせから設計、現場管理まで一貫して関わっています。

現場では棟梁とも直接やり取りをしながら、図面だけでは分からないところまで確認していきます。

住宅会社に入ったばかりの頃には分からなかったことも、30年以上この仕事を続ける中で、本当にたくさん経験してきました。

それでも、家づくりは毎回違います。

土地も違えば、家族構成も違う。

暮らし方も、好きなデザインも、予算も違います。

だからこそ、一棟一棟考えることがたくさんあります。

それが家づくりの難しさでもあり、今でもこの仕事を続けている面白さでもあると思っています。

遠回りした経験も、今につながっています

大学受験に失敗して、フリーター生活。

マクドナルドで働いたり、肉体労働で身体を壊したり。

たまたま見つけた「やる気のある人募集」という看板から建設会社へ入り、その後、住宅メーカーへ。

大津、大阪、金沢と転勤して、

「半年だけ」

の予定でやってきた上越に、気づけばずっと住んでいます。

そして、家づくりの仕事に携わって30年以上になりました。

こうして振り返ってみると、決して一直線ではありませんでした。

ただ、遠回りした経験も、各地で出会った人たちも、そこで教えてもらったことも、すべて今の家づくりにつながっているように思います。

これからも上越・妙高・糸魚川を中心に、新築・リフォーム・リノベーションなど、一つひとつの住まいに向き合っていきます。

「こんなこと、工務店に聞いてもいいのかな?」

ということでも構いません。

土地探しから中古住宅、リフォーム、家づくりのちょっとした疑問まで、住まいのことで何かありましたら気軽にご相談ください。

今後とも、タケハウス建築設計室をよろしくお願いいたします。

雪国ならではの土地選び!敷地配置と雪の捨て場所で後悔しないポイント

上越市・妙高市・糸魚川市で家づくりをするうえで、冬の暮らしやすさを大きく左右するのが「土地選び」と「敷地配置」です。

土地を探すときは、価格や広さ、日当たり、学校や職場までの距離などに目が行きがちですが、雪国ではもう一つ考えておきたいことがあります。

それが、

「冬、この土地に降った雪をどうするのか?」

ということです。

上越地域では、一晩で景色が変わるほど雪が積もることもあります。

家が建つスペースと駐車場が確保できたから大丈夫、ではなく、駐車場を除雪した雪、屋根から落ちた雪、道路除雪によって家の前に寄せられる雪まで考えて、土地と建物の配置を決めることが大切です。

私たちタケハウスでは、上越地域での家づくりをお手伝いをしてきた経験から、建物だけを見るのではなく、実際に冬になったときにどう暮らすのかまで考えた土地選び・配置計画を大切にしています。


【豪雪地帯で土地を探すなら、まず「道路」を見る】

雪国で土地を探すとき、私たちが特に確認しているのが前面道路です。

夏場は何の問題もなさそうな道路でも、雪が積もれば状況は大きく変わります。

特に確認したいのが、

・冬に除雪車がきちんと入ってくる道路なのか
・道路幅が十分にあるか
・消雪パイプなどが整備されているか
・袋地など、雪の処理や車の出入りが難しくなりやすい土地ではないか
3312F5A4-445E-4B5E-B8D0-AF875D6B0810.jpg


といったところです。

道路幅については、私たちは6m以上あるかどうかを一つの目安として見ています。

もちろん「6m未満だからダメ」ということではありません。

ただ、冬になると道路脇に雪が積み上がり、夏場より実際に車が通れる幅が狭くなることがあります。車同士のすれ違いや、除雪車が入れるかどうかも含めて確認しておきたいポイントです。

また、袋地になっている土地も注意が必要です。

雪を押していく場所が限られたり、除雪の状況によって車の出入りが大変になったりすることがあります。

夏に土地を見て終わりではなく、「ここに雪が1m、2mと積もったらどうなるだろう?」と想像してみる。

これだけでも、土地の見え方はかなり変わってきます。


【駐車場だけでなく「除雪した雪をどこに置くか」を考える】

例えば、希望していた車3台分の駐車スペースが取れたとします。

これだけを見ると「十分な広さがある」と思うかもしれません。

ところが冬になれば、その3台分の駐車場に降った雪をどこに持っていくのか、という問題が出てきます。

雪国では、駐車スペースだけでなく「雪置き場」も敷地の一部として考える必要があります。

3312F5A4-445E-4B5E-B8D0-AF875D6B0810 (1).jpg
さらに、

建物・駐車場・カーポート・玄関までの動線・屋根・雪置き場

を別々に考えるのではなく、一つの計画として考えることが重要です。

玄関までの距離が長ければ、その分だけ毎朝除雪する範囲も増えます。

カーポートを敷地いっぱいに配置すれば車の雪下ろしは楽になりますが、その周囲に除雪した雪を置くスペースがなくなることもあります。

「この土地に希望する家が建つか?」だけではなく、

「家を建てたあと、雪を置く場所がちゃんと残るか?」

まで考えてみてください。


【道路から建物を離した方がいい?】

上越ならではの問題として、道路の消雪設備も考えておきたいところです。

上越の消雪パイプには地下水を利用しているところも多く、水に含まれる鉄分などによって赤茶色の着色が見られることがあります。

車が通った際に消雪水を跳ね上げ、それが建物の外壁に付着して、道路側の外壁に赤茶色の汚れが目立つこともあります。

そのため、道路と建物の距離も敷地配置を考えるポイントの一つです。

実際に、現在タケハウスで建設中の新築住宅では、道路から建物を約3m離して配置しています。

ただし、ここにもデメリットがあります。

道路から建物を離してスペースをつくると、今度は道路を除雪した雪がそのスペースに寄せられ、雪がたくさん溜まる可能性があります。

つまり、

「道路から離せば離すほど良い」

という単純な話でもありません。

道路の除雪状況、消雪設備、外壁、玄関や駐車場の位置、雪を置く場所などを見ながら、その土地の大きさに合った配置を考える必要があります。距離が取れないのであれが、エクステリア(空間デザインを考える事も顧慮していく事も大事です。)


【流雪溝や消雪パイプがあれば安心?】

上越市内で土地を探していると、流雪溝や消雪パイプが整備されている地域があります。

これは雪国で生活するうえで非常にありがたい設備です。

ただし、「流雪溝があるから雪置き場を考えなくても大丈夫」とは限りません。

流雪溝は地域によって利用時間や利用方法などのルールが決められている場合があります。

消雪パイプについても、道路の雪を処理する設備と、自分の敷地内の雪をどうするかは別の問題です。

土地を検討するときは「設備がある・ない」だけを見るのではなく、実際に冬場にどう使われているのかまで確認できると安心です。

3312F5A4-445E-4B5E-B8D0-AF875D6B0810 (3).jpg
【土地選びと一緒に「屋根の形」も考える】

そして、雪の置き場所を考えるうえで切り離せないのが「屋根の形」です。

屋根から雪を落とすのか、できるだけ落とさないようにするのか。

それによって必要な敷地の広さや雪置き場の位置も変わってきます。

例えば、隣地との境界に近い場所へ屋根の雪が落ちるような計画にすれば、隣家とのトラブルにつながる可能性があります。

一方で、敷地に十分な雪置き場があるなら、そこへ雪が落ちるように屋根の方向を考える方法もあります。
3312F5A4-445E-4B5E-B8D0-AF875D6B0810 (2).jpg
以前のブログでは、切妻屋根・片流れ屋根などの代表的な屋根の形や、上越の湿った重い雪を踏まえた屋根選びについて詳しく紹介しています。

→【関連記事:屋根の種類と豪雪地帯での屋根選び】

土地、建物、屋根、雪。

これらを別々に決めるのではなく、最初からまとめて考えることで、冬の負担を減らすことができます。


【とはいえ、土地選びは結局「何を優先するか」】

ここまで雪国の土地選びについていろいろ書いてきましたが、結局のところ、どんな土地がいいかは人それぞれです。

雪かきが多少大変でも、駅や学校、職場に近い土地を選びたい方もいます。

少し郊外になっても、広い敷地を確保して雪の置き場所に余裕を持たせたい方もいます。

袋地だから絶対にダメ、道路幅が狭いから絶対にダメ、消雪パイプがないからダメ、ということではありません。

土地にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

大切なのは、良いところだけでなく、冬になったときにどんな不便があるのかも知ったうえで、自分たちが納得して選ぶことだと思います。

3312F5A4-445E-4B5E-B8D0-AF875D6B0810 (4).jpg

気に入った土地があるなら、その土地を諦める前に、

「ここに建てるなら、どうすれば冬も暮らしやすくできるか?」

を考えてみる。

それも工務店の仕事だと私たちは考えています。


【まとめ|土地の「冬の姿」まで考えて家を建てる】

上越地域や豪雪地帯での土地を選ぶなら、

・除雪車は入るのか
・道路幅は十分か
・消雪設備はあるのか
・除雪した雪はどこに置くのか
・道路除雪の雪はどこへ寄せられるのか
・屋根から落ちた雪はどこへ行くのか

こうしたことも一度考えてみてください。

雪がない季節には、とても条件の良い土地に見えるかもしれません。

でも、豪雪地帯で暮らす以上、その土地の「冬の姿」も家づくりの一部です。

私たちタケハウスでは、「この土地はダメ」と一方的に判断するのではなく、その土地の特徴を踏まえたうえで、建物の配置や屋根、駐車場、雪の処理まで一緒に考えています。

土地探しの段階でも、「この土地に家を建てたらどうなる?」というご相談があれば、宅建士も保有しておりので、お気軽にお問い合わせください。

豪雪地帯の屋根選びで後悔したくない方へ。代表的な屋根の種類と雪国での選び方

豪雪地帯である上越地域での家づくりにおいて、屋根はとても重要な部分です。

屋根は家の外観を大きく左右するため、デザインから考える方も多いと思います。

しかし雪国では、見た目だけではなく、

「雪をどこに落とすのか」
「屋根の上に雪を載せておくのか」
「将来、雪下ろしをどうするのか」

といった、冬の暮らしまで考えて屋根を決める必要があります。

こんにちは。タケハウス代表の竹内です。

上越市を中心に、地域の気候に合わせた家づくりを行っています。

今回は、まず住宅で使われる代表的な屋根の種類をご紹介したうえで、雪の多い上越地域ではどのように屋根を考えればいいのか、私たちなりの考えをお伝えします。

まず知っておきたい、代表的な屋根の種類
屋根には非常に多くの形があり、細かく分類するとかなりの種類があります。

今回はそのすべてをご紹介するのではなく、一般的な住宅でよく見られる代表的な屋根形状に絞ってご紹介します。


切妻屋根
いわゆる「三角屋根」で、2方向に傾斜したシンプルな形です。S__88612885.jpg

昔から日本の住宅で多く採用されており、雨や雪を流しやすいのが特徴です。

屋根の構造が比較的シンプルなので施工もしやすく、複雑な屋根と比べて雨仕舞もシンプルにできます。

雪国でも採用しやすく、雪を落とす方向を計画しやすい屋根です。

片流れ屋根
一方向だけに傾斜した屋根です。S__88612886.jpg

形が非常にシンプルで、すっきりとした現代的な外観にしやすいのが特徴です。

屋根面を大きく確保できるため、太陽光パネルを設置する住宅でもよく採用されています。

一方で、雨や雪が一方向に集中するため、雪をどこへ落とすのかを敷地計画と一緒に考えることが重要です。

寄棟屋根
屋根が4方向に傾斜している形です。S__88612887.jpg

どの方向から見ても屋根が見え、落ち着きのある外観にしやすいのが特徴です。

一方で、切妻屋根や片流れ屋根に比べると屋根の構造が複雑になり、棟や接合部分も増えます。

そのため、施工の手間や材料、将来のメンテナンスについても考えて採用する必要があります。

入母屋屋根
S__88612888.jpg
切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせたような形で、昔ながらの日本住宅や和風住宅によく見られます。

重厚感があり、和風建築ならではの美しい外観をつくれることが魅力です。

その反面、屋根形状が複雑になるため、施工に手間がかかり、シンプルな屋根と比べると建築費やメンテナンス費用もかかりやすくなります。


陸屋根・フラット屋根
外から見ると、ほぼ平らに見える屋根です。S__88612889.jpg

実際には雨水を排水するための勾配を設けますが、四角くすっきりとした外観にしやすいのが特徴です。

雪を自然に落とすのではなく、屋根の上に載せたままにする「耐雪式」の住宅にも使われます。

ただし、雪を載せる場合には、その重量に耐えられる構造が必要になるため、積雪荷重を考慮した設計が欠かせません。

なぜ雪国の屋根は「シンプル」が良いのでしょうか?
屋根の形状が複雑になればなるほど、雪が特定の場所に溜まりやすくなる「谷」と呼ばれる部分ができることがあります。

そこに湿った重い雪が溜まると、屋根に不均等な荷重がかかるだけでなく、雪が融けた際の水はけや雨仕舞についても、より慎重な設計・施工が必要になります。

また、凹凸の多い屋根は部材や接合部分が増え、施工にも手間がかかります。

つまり、屋根をシンプルにすることには、

・雪の流れを計画しやすい
・構造をシンプルにしやすい
・雨仕舞を単純にしやすい
・施工箇所や部材を減らしやすい
・将来のメンテナンスもしやすい
・建築コストを抑えやすい

といったメリットがあります。

もちろん、複雑な屋根そのものが悪いわけではありません。

建物のデザインや間取りによって、さまざまな屋根形状が必要になることもあります。

ただ私たちは、特別な理由がなければ、できるだけシンプルな屋根にすることが、構造的にもコスト的にも合理的だと考えています。

屋根を必要以上に複雑にしてコストをかけるより、その分を構造や断熱性能、設備など、実際の暮らしや住宅性能に関わる部分へ充てる。

これも、限られた予算の中で良い家をつくるための一つの考え方です。


雪国では「屋根の形」だけでなく「雪をどうするか」を考える


上越地域で屋根を考える場合、形状と同じくらい重要なのが、積もった雪をどうするかです。

大きく分けると、

雪を自然に落とす「落雪式」

と、

雪を屋根の上に載せておく「耐雪式」

という考え方があります。

どちらが優れているというものではなく、敷地の広さや周辺環境、建物の配置などによって向き・不向きがあります。

敷地にゆとりがあるなら「落雪式」
隣家との距離が十分にあり、落ちた雪をためておけるスペースを確保できる場合は、切妻屋根や片流れ屋根などの勾配を利用して、雪を自然に落とす方法があります。

自然に雪を滑り落とすことができれば、屋根の上に大量の雪が積もり続ける心配を減らすことができ、雪下ろしの負担を軽減することにもつながります。

ただし、ここで非常に重要なのが、

「その雪をどこに落とすのか」

ということです。

玄関や駐車場に大量の雪が落ちれば、毎日の除雪が大変になります。

道路側へ落ちるような屋根も危険ですし、当然ながら隣の敷地へ雪を落とすような計画も避けなければなりません。

「雪をどこに落とすか」は、ご近所との関係にも関わります
雪国に住んでいる方なら分かると思いますが、雪の問題は意外とご近所トラブルにつながりやすいものです。

屋根から落ちた雪だけでなく、

「除雪した雪をどこに置くのか」

という問題もあります。

少し極端な例ではありますが、2021年にアメリカ・ペンシルベニア州で、雪かきをめぐる近隣住民同士の口論がエスカレートし、夫婦2人が射殺され、撃った男性も自殺するという事件が起きています。

CNNの報道によると、夫婦が駐車場の雪を道路の向かい側にある男性の敷地へ投げ入れていたことから口論になり、さらにその2カ月前にも雪かきをめぐって口論していたとされています。

もちろん、これはかなり極端な事例です。

ただ、それほど「雪をどこに置くのか」という問題は、場合によっては近隣関係にも影響するということです。

だからこそ、家を建ててから考えるのではなく、設計の段階から、

「屋根の雪はどちらへ落ちるのか」
「落ちた雪をどこにためるのか」
「玄関や駐車場を塞がないか」
「道路や隣地へ影響しないか」
「除雪するためのスペースを確保できるか」

まで考えておくことが大切です。

夏の完成した姿だけではなかなか気付きにくい部分ですが、豪雪地帯では毎年の暮らしに直結します。

雪が降ってから考えるのではなく、雪が降ったときの敷地全体を想像して家を設計する。

これは、上越で家を建てるうえで非常に重要なポイントだと思っています。

狭小地や住宅街なら「耐雪式」
敷地が限られていて、雪を落とすスペースを十分に確保できない場合には、雪を屋根の上に載せたままにする「耐雪式」という選択肢があります。

周囲へ大量の雪を落とさないため、住宅が近接している土地では大きなメリットがあります。

ただし、上越で耐雪式を考える場合に特に注意したいのが、雪の量だけではなく「雪の重さ」です。

上越の雪は「量」だけでなく「重さ」にも注意
同じ1mの雪でも、雪の状態によって重量は同じではありません。

上越では、水分を多く含んだ湿った雪になることも多く、雪が締まったり、雨や気温の上昇によってさらに水分を含んだりすると、屋根にかかる負担は大きくなります。

そのため、

「何cm積もるか」だけではなく、「その雪を建物がどれだけの重量として受けるのか」

まで考えなければなりません。

実際、上越市では市内全域が多雪区域に指定されており、地域ごとに垂直積雪量が設定されています。

さらに積雪荷重についても基準が設けられており、耐雪式の住宅では、想定する雪の重量に耐えられる構造であることが重要になります。

雪を屋根の上に載せるということは、その重量を屋根だけで受けるわけではありません。

屋根から梁へ、梁から柱へ、柱から基礎へと力が伝わり、最終的には家全体で雪の重量を支えることになります。

だからこそ耐雪式では、屋根だけを強くすればいいのではなく、柱・梁・壁・基礎まで含めた構造計画が大切です。

雪の重量を十分に考えずに設計すれば、建物に大きな負担がかかり、変形や損傷、最悪の場合には倒壊につながる可能性もあります。

同じ雪国でも、上越と北海道では雪が違います
「雪国の家」と一括りにされることがありますが、実際には地域によって雪の降り方や雪質は大きく違います。

北海道の内陸部などでは、気温が低いため比較的水分の少ない、いわゆる「パウダースノー」が降る地域があります。

一方、上越では水分を含んだ湿った雪になることも多く、同じ積雪深でも屋根にかかる負担の考え方は変わってきます。

また、雪は内部に多くの空気を含むため、積もった雪そのものには断熱性があります。

そのため寒冷地では、屋根に積もった雪が外気との間にある断熱層のような働きをすることもあります。

ただし、これは「雪を載せておけば断熱材になるから、雪下ろしをしなくても大丈夫」という意味ではありません。

北海道でも地域によって積雪量や雪質は違いますし、無落雪屋根や滑雪屋根など、さまざまな雪処理方法が採用されています。

大切なのは、

「雪国だからこの屋根」ではなく、その地域の雪に合った家をつくること。

上越には、上越の雪に合った構造と屋根の考え方があります。

全国共通の住宅仕様だけを見るのではなく、実際にその土地で降る雪まで考えることが、雪国の家づくりでは重要だと思っています。

雪に強い家と予算を両立するために
「雪に強い家にしたいけれど、その分建築費が大きく上がってしまうのでは?」

と心配される方もいらっしゃると思います。

確かに、雪の重量に耐える構造や雪国に必要な性能には、きちんと予算をかける必要があります。

だからこそ私たちは、お金をかけるところと、シンプルにできるところを分けて考えることが大切だと思っています。

例えば屋根をシンプルな切妻や片流れにすることで、構造や納まりを分かりやすくし、部材や施工の手間を抑えることができます。

そこで抑えられた予算を、雪の重量に耐えるための柱や梁、基礎、あるいは冬の寒さを和らげる断熱性能などへ充てる。

形を複雑にすることにお金をかけるのではなく、長く安心して暮らすための性能にお金をかける。

私たちは、そんな家づくりを大切にしています。

とはいえ、最後は「好きな屋根」でいいと思います
ここまでシンプルな屋根のメリットをいろいろとお話ししてきましたが、家は性能やコストだけで決めるものでもありません。

切妻屋根が好きな方もいれば、片流れのシャープな外観が好きな方、寄棟の落ち着いた雰囲気や、入母屋の重厚感が好きな方もいます。

毎日帰ってくる自分の家ですから、最終的には、

「この家が好き」

と思えることも、とても大切だと思っています。

私たちとしては、構造・施工性・コスト・メンテナンスまで考えると、できるだけシンプルな屋根をおすすめします。

でも、それを押し付けるつもりはありません。

「このデザインが好き」
「どうしてもこんな屋根にしたい」

という希望があれば、その好みを大切にしながら、上越の雪の中でも安心して暮らすためにはどうすればいいかを一緒に考える。

それが工務店の仕事だと思っています。

屋根に限らず、家づくりに「これが絶対の正解」というものはありません。

メリットとデメリットを知ったうえで、最後はご家族が納得して選ぶ。

タケハウスでは、そんな家づくりを大切にしています。

まとめ
屋根にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。

しかし、豪雪地帯である上越地域で屋根を選ぶ場合は、単純に外観の好みだけで決めるのではなく、

「雪をどこへ落とすのか」
「雪を屋根に載せておくのか」
「上越の重い雪をどう支えるのか」
「将来の雪下ろしをどうするのか」
「玄関や駐車場に雪が落ちないか」
「道路や隣地に影響しないか」
「構造や建築コストとのバランスはどうか」

といったところまで考える必要があります。

そして私たちは、特別な理由がなければ、屋根はできるだけシンプルにすることをおすすめしています。

シンプルな屋根は、単に建築費を抑えるためだけではありません。

構造を分かりやすくし、雪や雨の流れを計画しやすくし、施工性や将来のメンテナンス性を高めることにもつながります。

家は建てたときだけではなく、その先何十年と暮らしていくものです。

上越の雪と長く付き合っていく家だからこそ、見た目だけではなく、冬の暮らし・雪の重さ・構造・コスト・将来のメンテナンスまで含めて屋根を考えることが大切です。

タケハウスでは、敷地条件や周囲の環境、ご予算、そしてご家族の好みや暮らし方を確認しながら、その家に合った屋根をご提案しています。

「この土地ならどんな屋根がいい?」
「できるだけ雪下ろしをしたくない」
「好きな外観にしたいけど、雪は大丈夫?」
「雪対策をしながら予算も抑えたい」

そんな段階からでも、お気軽にご相談ください。

【参考】
上越市「建築設計に係る制限等」
上越市「克雪すまいづくり支援事業」
CNN.co.jp「雪かきめぐり夫婦を射殺、撃った男性も自殺 米ペンシルベニア州」

♦2年ぶりのブログ更新。社長の施工管理と棟梁による一貫体制の家づくり

こんにちは。
タケハウス代表の竹内です。

気がつけば、ブログの更新が2年ぶりになってしまいました。

その間も、ありがたいことに家づくりやリフォームなど、たくさんのお客様からご相談をいただいてきました。

久しぶりの更新ということで、今回は改めて、私たちタケハウスがどんな考えで家づくりをしているのかについてお話ししたいと思います。

家づくりは、一生に一度の大きな買い物です。

だからこそ、

「ちゃんと自分たちの希望が現場に伝わっているのかな?」

「図面通りに施工されているのかな?」

「実際に家を建てているのは、どんな人なんだろう?」

そんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

私たちが大切にしているのは、図面を描いた人、お客様と話をしてきた人、そして実際に家を建てる職人が、同じ方向を向いて家づくりをすることです。

そのために、タケハウスでは代表自らが施工管理を行い、信頼関係のある棟梁と連携しながら、一棟一棟丁寧に家をつくっています。

【「社長の施工管理」と「棟梁」の組み合わせ】

一般的な家づくりでは、営業担当、設計士、現場監督、職人など、さまざまな人が関わります。

もちろん、それぞれの専門分野を持つ人が関わることには大きなメリットがあります。

一方で、人が増えるほど、

「お客様が伝えた希望が、現場まで正確に伝わっていない」

ということが起こる可能性もあります。

例えば、

「ここにコンセントを追加したい」

「収納を少し変更したい」

「実際に暮らしてみると、こっちの方が使いやすそう」

工事が進んでから、こうしたご相談をいただくこともあります。

そんなとき、現場を管理する人間がお客様との打ち合わせにも直接関わっていれば、「なぜそうしたいのか」という背景まで理解したうえで判断することができます。

もちろん、構造や法規、安全性など、簡単には変更できないこともあります。

それでも、

「できません」

と最初から終わらせるのではなく、

「こうすればできるかもしれません」

「こちらの方法なら、より使いやすくできます」

と、一緒に方法を考える。

それが、私たちの考える家づくりです。

【見えないところこそ、丁寧に】

家が完成すると、基礎や柱、断熱材など、多くの部分は見えなくなります。

でも、実際に住み始めてからの快適さや家の寿命を考えると、こうした見えない部分の施工品質こそ重要です。

例えば、基礎の配筋、柱や金物の接合、断熱材の施工など。

完成後には見えなくなるからこそ、一つひとつの工程を丁寧に確認する必要があります。

私たちは、年間に何十棟、何百棟と建てることを目的にしているわけではありません。

一棟一棟、その家に住むご家族のことを考えながらつくる。

それを大切にしています。

長く付き合ってきた職人だからこそ、お互いの仕事に対する考え方やこだわりも分かっています。

「ここはもう少し丁寧にやろう」

「ここはこうした方が長持ちする」

そんな細かな部分まで共有しながら現場を進められることは、私たちの強みの一つだと思っています。

【ハウスメーカーと工務店、どちらがいい?】

家を建てようと思ったとき、多くの方が一度は悩むことだと思います。

ハウスメーカーにも工務店にも、それぞれ良さがあります。

ハウスメーカーのように、仕組みや保証、規格化された住宅性能を重視する家づくりが合う方もいます。

一方で、

・誰が自分の家を建てているのか知りたい
・見えないところまでしっかりこだわりたい
・自分たちの暮らしに合わせた提案をしてほしい
・打ち合わせから完成まで、できるだけ同じ人に相談したい
・建てた後も気軽に相談できる関係をつくりたい

そんな方には、私たちのような地域の工務店が合っているかもしれません。

私たちは、年間の棟数を競うのではなく、一棟一棟の家と、そのご家族にしっかり向き合うことを大切にしています。

家を建てて終わりではありません。

むしろ、完成してからが本当のお付き合いの始まりだと考えています。

「ちょっと困ったことがあるんだけど......」

そんなときに、

「とりあえずタケハウスに相談してみよう」

と思ってもらえる会社でありたいと思っています。

【最後に】

ブログの更新が2年ぶりになってしまいましたが、これからは家づくりに関することを、少しずつ発信していきたいと思います。

家づくりを始める前に知っておいてほしいこと。

住宅の性能や断熱、耐震について。

土地探しや間取りについて。

リフォームや、住み始めてからのちょっとした困りごとまで。

専門的な話だけではなく、実際に家を建てる側だからこそ分かることを、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

これから家づくりを考えている方はもちろん、

「まだ何も決まっていないけど、ちょっと話を聞いてみたい」

という段階でも大丈夫です。

家づくりは、分からないことがあって当然です。

一緒に考えながら、ご家族にとってちょうどいい家をつくっていければと思います。

今後ともタケハウスをよろしくお願いいたします。